ガンのことを知ろう

乳ガン

乳ガン

若年層で増えている乳ガン

乳ガンは乳汁を分泌する乳腺(にゅうせん)にできる悪性の腫瘍である。乳ガンはある程度大きくなると、「しこり」として自覚できる。乳ガンは、ガンのなかでも増えているガンである。現在、年間約3万人強が乳ガンに罹っているが、十年後には年間5万人が新規の乳ガン患者になると予測されている。食生活の欧米化による、脂肪の摂取量が増大が背景にあると考えられている。乳ガンはホルモンとの関係が高いので、脂肪摂取がホルモンバランスに影響する要因になるのだろう。

【乳ガンになりやすい人】

●初潮が早い
●閉経が遅い(55歳以上)
●出産経験がない
●出産回数が少ない
●初産が遅い(30歳以上)
●授乳していない
●高カロリー・高脂肪(とくに動物性)の食事が多い
●肥満
●親・姉妹に乳ガンの家族歴がある

なお、乳ガンの好発年齢は、既婚者が40歳以上、未婚者が30歳以上である。

乳ガンのできる部位は、乳房の外側(腋の側)上部で約5割を占める。次いで、内側(胸の中心側)上部、外側下部、内側下部の順である。


【乳ガンの症状】

乳ガンの症状で最も多いのが「しこり」である。乳ガンが5ミリくらいの大きさになると自分で触れてわかる。乳ガンのしこりは硬くしこるものが多いが、良性のものと区別がつきにくいので、しこりが確認できたら、とりあえず乳腺外科を受診する。

他には、乳頭(乳首)から汁が出る。(乳頭異常分泌) とくに血液の混ざった汁が出ると、乳ガンの確率が高い。乳房の皮膚が痛みや熱感を伴う赤い腫れる(炎症性乳ガン)、乳頭(乳首)の湿疹・ただれ、なども乳ガンが疑われる。

乳ガンが進行すると、乳房表面にくぼみ、ひきつれがおこり、乳房が陥没、変形する。また、乳ガンからの転移があると下記のような転移先の症状が発生する。
●腋窩(えきか=腋の下)リンパ節:腋の下のしこり、むくみ
●骨:腰、背中、肩の痛み
●肺:せき、呼吸が苦しい
●肝臓:お腹の痛み、食欲不振、黄疸


【乳ガンに似た病気と乳ガンの検査法】

乳ガンと似た症状の病気
◆乳腺症(にゅうせんしょう)
閉経期前後の40歳代に多い。女性ホルモン(エストロゲンの過剰)の影響を受けることにより、乳房のしこり、腫れ、痛みがでる。生理前に症状が強くなり、生理が終わると軽くなる。乳ガンの症状ともっとも似ている。

◆線維腺腫(せんいせんしゅ)
若年層の女性(20代~30代)に多い良性の腫瘍。しこりは丸く、固く動くのが特徴。

◆乳腺炎
授乳をしている女性に起こりやすい。お乳は詰まったり、細菌に感染することが原因となる。炎症性の乳ガンと見極めが必要。

乳ガンの検査
■マンモグラフィ(乳房X線検査)
乳ガンの早期発見には欠かせない検査。検診にも使われ、乳ガンの早期発見率のい向上に寄与している。乳房に触ってわからない小さなしこり、乳管の中のガン細胞にカルシウムが沈着し石灰化した部分をとらえられる。
*参照
マンモグラフィー
MRマンモグラフィー

■乳腺超音波検査
超音波を当て、その反射波をとらえて画像にする。

■病理組織学的検査
乳ガンと疑わしい部分の細胞や組織を採り、顕微鏡で悪性(ガン)かどうかを判断する。病理組織学的検査には、穿刺(せんし)吸引細胞診(注射器の針を刺して採取した細胞を検査する)、乳頭分泌物細胞診(乳首からの分泌物を検査する)、生検(せいけん=バイオプシー=乳房のしこりの一部を外科的に切除して検査する)がある。

乳ガンの自己チェック
◎目で確かめる方法
・鏡に向かって、乳房の大きさ、形の左右均等具合を見る。腕を上下させたり、上体を前かがみ・後ろそりさせることによって、くぼんでいる箇所やゆがみ、乳首のへこみ、腫れ、ただれを確認する。

◎触って確かめる方法
・立った姿勢、仰向けの姿勢で調べる側の腕を頭の上に上げて、もう一方の手で触る。2・3本の指の腹で乳房の表面を軽く押しながら触る。触り方は、周辺から中心に渦巻きのように、縦方向上下動、乳首から外側に放射線状に、など。

◎乳首をしぼり、分泌物がないかを調べる
・血液が混ざっていないか、下着に付着していないかをチェックする。

◎リンパ節を調べる
・腋の下、首の付け根を触る。左右触ってみて差がないか調べる。


【乳ガンの病期】

乳ガンがどのくらい拡がっているか、進んでいるかを、しこりの大きさ(T)、リンパ節転移(N)、遠隔(骨、肺、肝臓、脳など)転移(M)によって分類する。

《0期》
・乳ガンが乳腺の中に限られている、早期の乳ガン。(非浸潤がん)

《Ⅰ期》
・しこりの大きさが2cm以下で、リンパ節には転移なし、遠隔転移なし。

《Ⅱa期》
・しこりの大きさが2cm以下で、腋の下のリンパ節転移がある。遠隔転移なし。
・しこりの大きさが2~5cmで腋の下のリンパ節転移がない。遠隔転移なし。

《Ⅱb期》
・しこりの大きさが2~5cmで腋の下のリンパ節転移がある。遠隔転移なし。

《Ⅲa期》
・しこりの大きさが2cm以下で、転移のある腋の下のリンパ節がお互いがっちりと癒着していたり周辺の組織に固定している。遠隔転移なし。
・しこりの大きさが2cm以下で、腋の下のリンパ節転移がなく胸骨の内側のリンパ節(内胸リンパ節)がはれている。遠隔転移なし。
・しこりの大きさが5cm以上で腋の下あるいは胸骨の内側のリンパ節への転移がある。遠隔転移なし。

《Ⅲb期》
・しこりの大きさや腋の下のリンパ節への転移の有無にかかわらず、しこりが胸壁にがっちりと固定しているか、乳房皮膚表面ににしこりが出ていたり、皮膚が崩れたり、皮膚が腫れている。遠隔転移なし。(炎症性乳ガンを含む)

《Ⅲc期》
・しこりの大きさにかかわらず、腋の下のリンパ節と胸骨の内側のリンパ節の両方に転移がある。遠隔転移なし。
・鎖骨の上下にあるリンパ節に転移がある。遠隔転移なし。

《Ⅳ期》
・遠隔転移がある。

Ⅲ期とⅣ期が進行乳ガンである。


【乳ガンの治療】
乳ガン治療の第一選択は手術である。切除する範囲によって、乳房温存術(腫瘍核出術、乳房部分切除術)、単純乳房切除術、胸筋温存乳房切除術、ハルステッド乳房切除術を行う。手術後に放射線療法を併用するケースも多い。

切除できない乳ガンには、ホツモン療法、化学療法(抗ガン剤)、放射線療法が施される。乳ガンは女性ホルモン(エストロゲン=卵胞ホルモン、プロゲステロン=黄体ホルモン)で成長しやすい。ホルモン依存性の乳ガンは、女性ホルモンの分泌を抑えるホルモン剤を用いる。

乳ガン組織のHER2タンパク検査でHER2タンパクが確認されると、そのタンパクを作るHER2遺伝子に作用する分子標的薬を使う。今まで治療法が限られていた再発乳ガンにも効果が期待されている。

乳ガンの化学療法(抗ガン剤)には、アンスラサイクリン系、タキサン系、トラスツズマブ分子標的薬などが使われる。

【追記】
「粗食のすすめ」で有名な栄養士の幕内秀夫さんは、長年ガン患者さんの食生活指導にも携わっておられます。そのなかで、明らかに食事が影響するガンとして「乳ガン」をあげています。今や乳ガンは女性のガンのトップ(罹患率)です。

また、乳ガンの特徴としては、高齢者に多いのではなく、45歳ころが乳ガン発症のピークになっており、20代30代の乳ガン患者が増えているようです。もうひとつの特徴は、乳ガンにははっきりと地域性が表れています。乳ガンの死亡率ベスト9(厚生労働省調査 1995~1999)は、①東京②神奈川③大阪④北海道・千葉⑥福岡⑦埼玉⑧京都⑨愛知の順です。逆に低いのは岡山、鹿児島、香川、高知、福島です。首都圏、都会のある地域に乳ガン患者が多い。幕内さんが接した乳ガン患者の8割以上が、朝食にパンを食べ、昼食にもサンドイッチ、スパゲッティが多いとのことです。詳しくは、コラム「乳ガンと食事」をご参照ください。

【追記 その2】
乳ガンと女性ホルモン(エストロゲン=卵胞ホルモン)の関係です。エストロゲンは、乳腺を発達させる働きがあります。乳腺を発達させるとは、乳腺細胞の分裂を活発にすることです。乳ガンは乳腺のガンです。ガンは細胞分裂が盛んなほど、コピーミスによって発生する確率が高くなります。乳腺の細胞分裂が活発になれば、それだけ乳腺に異常な細胞が発生しやすくなり、乳ガンになる可能性がでてきます。エストロゲン自体が乳ガンの発ガン性になるかどうかは不明確ですが、できてしまった乳ガンを大きくさせてしまうのは明らかなようです。

エストロゲンの影響を受けるか(乳ガンのリスク)どうかは、一生のうちの月経回数が目安になります。月経回数が多いほど、エストロゲンの影響を受けやすくなります。初潮が早く閉経が遅い方、妊娠経験・出産経験がない方、初産が高齢出産の方はエストロゲンの影響による乳ガンのリスクが高くなります。


【追記-3 乳ガンのリスク・・・生理と体格 2007/02/22】
日本人で乳ガンのリスクが高い女性は、身長160センチ以上、出産経験がない、初潮年齢が早いなどの傾向がある・・・乳ガンと生理、体格などとの関連が、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)の約5万5000人を対象にした疫学調査でわかった。

 

乳ガンの発生には女性ホルモンの分泌が関与しているとされ、大規模な調査で裏付けられた形だ。(2007年2月21日公表)同研究班は、1990年と93年に40~60代だった全国の女性を対象に、約10年間にわたって追跡調査を実施。閉経の前か後か、体格、初潮年齢などの条件で集団に分け、2002年までに乳がんを発症した人数から、各集団の危険性を比較した。

閉経後の場合、身長160センチ以上の女性は、同148センチ未満の女性に比べ、乳ガンのリスクが2・4倍に高まった。また48歳未満に閉経した人に比べ、54歳以上で閉経した人のリスクは2倍になった。出産経験がない女性は、ある女性に比べ2・2倍だった。

乳ガンのこの調査結果からは、栄養状態などが関係していると推測される。閉経後の女性では、体格指数(BMI)が高く、太っているほどガンになりやすい傾向がある。やはり食生活との関連はあなどれない。
「乳ガンと食事」参照。


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