ガン患者さんのご家族や親しい方へ

ガンに克つ10ヶ条(家族編)

(3)告知

「知らせる、知らせない」より「知らせ方」
ガン患者さんの家族が悩むことに、告知=真実を本人に知らせる=があります。最近では、ガンであることを本人に伝えないというケースは減っているようです。少なくともガンであるかどうかを“意図的に隠す”のはどちらかといえばデメリットのほうが多いように思います。

本人がかなり高齢で判断能力が低下していたり、本人が知りたくないと拒否している場合は、ガンであることを知らせないというケースもあるでしょう。しかしながら、たとえガンであることを隠していても、患者さんは敏感です。それとなく察知します。告知されていないはずであるガン患者さんのうち、60%以上が自分はガンであると知っている、という報告もあります。

ガンを告知しない大きな理由に、本人が落ち込んだり、パニックになったりするようなショックを与えたくないという心理があります。東京女子医大客員教授の村上圀男先生の調査によると、ガンを告知されたショックから立ち直るために要する時間は、早い人はなんと5、6時間、平均でも2~7日で、立ち直れなかったのはほんの数例だったそうです。家族や周囲の人が心配するほど、人間の心の回復力はそんなに弱くないのです。

知らないでいるより、知ることでメリットが生まれます。
「癌ー患者になった5人の医師たち」(角川oneテーマ21)には次のような方の例が紹介されています。

◆モンブランへの登頂を果たしたEさん(四十八歳・男性)は直腸ガンの手術を受け、人工肛門をつけて3年後に、肺への転移が判明しました。直腸ガンのときは主治医の方針でガンとは知らされず、直腸潰瘍といわれて手術に臨みました。肺に転移したときに私たちの病院に来られたのですが、主治医の伊丹仁朗先生から「ここが悪いのですよ」とレントゲン写真を見せられて、Eさんは自分でガンを認知しました。

それからの生き方は、ガンを知らされなかったときと比べものにならないくらいに前向きでした。積極的に放射線治療を受けたことで、8つあった腫瘍が3つに減り、職場復帰を果たした1年後には6人のガン患者の仲間とともに、モンブランに登ったのです。再発したとき、主治医は家族にあと半年くらいと言ったそうですが、結局6年も延命しました。真実を知ることの大切さを思い知らされる例です。

◆設計技師をしていたFさん(男性)はガンであることを告知されるその日まで、ベッドの枕元に設計図やら書類を持ち込み、部下を病室に呼んでは指示をしていました。しかし、告知を受けた2、3日後には山と積まれていた枕元の設計図や書類がきれいさっぱり消え、頻繁に呼んでいた部下も姿を見せなくなりました。部下との打ち合わせの代わりに奥さんとの会話を楽しむようになったのです。

「たとえ私がいなくなっても、会社には優秀な部下がたくさんいます。でも、夫の代わりはいませんから。今まで仕事にかまけて家内には寂しい思いをさせどおしでした。その償いが少しでもできれば・・・」と語ってくれたFさんの、「もしガンを告げられなかったら、私のコンピューターはエラーを起こして、間違った人生のまま幕を閉じることになっていたでしょう」という言葉が忘れられません。

病名を知ることは、
①病気と闘う上で有利になる
②真実を知らないことによる不安、不信をなくせる
③家族との絆が深まる
④充実した人生を過ごせる

患者さん本人の治療に取り組む意識は、言うまでもなく重要です。しかし、詳しい事情を知らされないがために、家族と共同で行う闘病の方向性や意識に差があると、治療効果を十分得られません。ガンほど重大な病でないと思い込んでいれば、食事や仕事など日常生活での養生も手抜きになりかねません。家族がよかれと思って勧めることも、本人がさほど真剣でなければ、はがゆい思いをすることになります。じれったいですよね。

また、ガンという病は多かれ少なかれ死をイメージします。怖いイメージではあるものの、逆に死を前提にすれば、残りの人生(残りの人生がどのくらいあるかなんて誰にもわかりません。ガンであろうがなかろうが)を有意義に生きようという意識が高まります。精一杯生きようとすることが、どんな治療にも勝ることがあります。そういう意識で生きることは、身体がそれに応えようとするからです。

このような観点から、ガンという病名を患者さんに告知することは、一般的になってきています。しかし、問題はどの程度まで病状を伝えるかです。特に厳しい病状の場合、ご家族は真実を伝えるべきかどうか迷い、悩みます。患者さん本人がどこまで知りたいというはっきりした意思を示しているとしても、ご家族としては悩まれます。

医師は余命のような病状をご家族には伝えます。しかし、ご家族は本人に言うべきかどうか判断がつかない。その板ばさみで、神経を擦り減らすことにもなります。

ここでは、医師は余命の告知をすべきだ、すべきでない。医師による余命の宣告を受け入れる、受け入れるべきでない、という議論は取り上げません。(長くなるし、本題から遠のきますので)
ただ、すべてを告知すべき、すべきでない、と必ずしも白黒つけた解答はないと思います。しかし患者さんのために知らせないということが、本当に患者さんのためになるのかどうかはよくお考えいただきたいと思います。

知らせる、知らせないより、『知らせ方』のほうが重要かもしれません。

◆ある男性のご家族が相談に来られたとき、その男性はすでに肝臓から脊髄にガンが転移し、下半身が麻痺した状態でした。入院して点液や何本もの管をつけて生きている状態で、ほどんど食べ物がのどを通りません。病院もこのまま入院しているより、ご自宅に戻られたほうがいいと、事実上の終戦宣言をだしました。ただし家に帰っても1週間もつかどうか、という医師の見解です。

しかし家族はなんとかしたかった。なぜなら、あと3ヵ月で待望の初孫が誕生する予定だったからです。本人は、肝臓ガンは知っていましたが、脊髄に転移して非常に厳しい状態ということは知らされていません。なにか別の病期で足が動かなくなったと思っていて、なぜ早く足の治療をしないんだとイライラしています。

当初、家族は本当のところを知らせるべきかどうか迷っていました。しかし、ガンが転移して足がもう元には戻らない、しかも厳しい病状だと言うことを知らせることをためらいました。ショックで病状が悪化するのを怖れたのです。

しかし、いよいよとなったとき、その息子さんと「現実の状況を知ることで、一度は落ち込むだろうが、良い意味で覚悟ができれば、結果的にお孫さんを見せてあげることができるのじゃないか」という話をしました。「ただし、伝えるのは医者任せではなく、必ず家族が伝えること。一緒に頑張ろうと、希望をセットにして伝えること」という約束をしました。医師の人格にもよりますが、機械的に告知されるのと、人間味溢れる伝え方は、決定的に差があります。

お父さんは深刻な病状を伝えられると、その日一日はやはりしょんぼりしていたそうです。しかし、自宅に帰ると徐々に元気を取り戻します。食欲も回復し、不思議なことに痛みも和らぎ、眠れないため服用していたお薬も減らすと、さらに体調が良くなっていきました。

結局、お孫さんを抱くこともでき、最後は苦しむこともなく眠るように最後を迎えられたそうです。

周りが心配するほど、人の心は弱くないのです。
病状をどの程度伝えるかより、どう伝えるか。それがだいじなのではないかと思います。
それこそ、お医者さんや看護婦さんでなく、ご家族にしかできないことではないかと思います。
 


 


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