ガン患者さんのご家族や親しい方へ

ガン患者会・ガン患者サポート会

一般社団法人 がん哲学外来

がん患者ではなく「人」として語れる場を設ける
『多くの人は、自分自身又は家族など身近な人ががんにかかった時に初めて死というものを意識し、それと同時に、自分がこれまでいかに生きてきたか、これからどう生きるべきか、死ぬまでに何をなすべきかを真剣に考えます。一方、医療現場は患者の病状や治療の説明をすることに手一杯で、がん患者やその家族の精神的苦痛までを軽減させることができないのが現状です。そういった医療現場と患者の間にある「隙間」を埋めるべく、「がん哲学外来」が生まれました。科学としてのがん学を学びながら、がんに哲学的な考え方を取り入れていくという立場です』
(一般社団法人 がん哲学外来の公式サイトより)

さまざまな病気の中でも、特にがんは哲学的な病です。しかし通常の医療現場は科学的な診療に終始し、患者さんの人生にコミットできないという実情があります。そこで哲学的なアプローチの必要性を感じたが、2008年に順天堂大学医学部附属順天堂医院にて5日間開設した「がん哲学外来」が発端となり、現在では30を超えるがん哲学外来、がん哲学カフェが運営されています。

がん哲学外来
がん哲学外来について講演される樋野興夫先生



通常の診察室では、医学的・科学的見地からがんをどうするか?という病状や治療についてのやりとりで精一杯。ともすれば患者さんというひとりの人間性は置き去りにされがちです。がん哲学外来、がん哲学カフェは「人」として語れる場を提供することで、「病人」にならないよう寄り添う活動です。

がん哲学外来
樋野先生は福島県出身の世界的病理学者 吉田富三博士(実験腫瘍 吉田肉腫を発見)が残した言葉にインスパイアされた。「がん細胞で起こることは人間社会でも起こる」=がん哲学



がん哲学外来、がん哲学カフェは診察室を離れて、街場に開設されています。街場に様々な人が集うことで、“人間力”が発揮されると考えるからです。医療関係者だけでなく、体験者や一般市民のボランティアで運営されています。






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【追記】
2014年5月31日に岐阜で開催された樋野興夫先生の講演会および参加者との意見交換会より。

がん哲学外来
講演会

がん哲学外来
輪になっての意見交換会



*樋野興夫先生
がん哲学外来に来られる人の1/3は、自分の病気に対する恐怖感を訴える。死の優先順位を下げて忘却させることが大切。“解決”できない問題であっても“解消”することはできる。

患者が一日のなかで病気のことを考える優先順位を下げる。つまり病気を考える時間を減らす。病気を忘れる時間を増やす。これが解消法。それには自分のことだけ考えるのではなく、人のことを考えると「私は明日死んでも、今日この花に水をやる」という心境になれる。末期の患者さんでもそんな気持ちになれるの。「痛い!痛い!」と訴え続けていた人が、急にひとことも「痛い」と言わなくなることもある。

医学や科学はどうしても物事に白黒つけたがる。しかし人の生や死においてはグレーな部分があり、それに対し医学的、科学的に白黒のジャッジを下したところで意味がない。グレーな部分には愛を以ってあたるしかない。それは人と人が交流することでしか成り得ない。

病院で患者に応対する医者は二つタイプがある。廊下を並んで歩きながら話をする医者。30秒でもいいから立ち止まって患者の目を見て対話する医者。自分の行動をストップして相手の為に時間を割く。そうすると患者はたとえ30秒でも満足する。だから私たちは立ち止まる人にならないと。

いろんな方が集まって人間を語れる場は必要です。今日ここに集った人たちで当地でもつくってください。それはがん体験者の使命でもありますよ。


*荻原菜緒先生(佐久総合病院医師)
病院の中ではグレーと伝えなければならないことであっても、何か決めなければ医療が進まないジレンマを感じることがあります。では何を拠り所にするのだ?と悩んだこともありますが、ある患者さんの発した「やはりなんといっても人は人に癒されるんだよね」という言葉が印象的で学びになりました。「支える側:支えられる側」「助ける側:助けられる側」ではなく、同じテーブルの上にのった「寄り添う人:寄り添う人」という関係でありたいなと思います。


*2014年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトもしくは電話でご確認ください。



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