
ガンは進行していくと、手術や放射線といった局所限定の治療では手の施しようがなくなります。特定の内臓や器官にじわじわ広がったり、隣接する部位へ浸潤したり、血液やリンパにのって離れたところに転移したり・・・。性質の悪いガンほど、勢力を拡大していきます。それゆえに、ガン細胞を殺す目的で抗ガン剤を体内に入れるのです。
抗ガン剤は分子標的治療薬といわれるガン細胞だけをターゲットにした抗ガン剤が登場し、患者さんの負担が軽減するといわれています。しかしながら、現在でも大多数の抗ガン剤は効果と副作用の葛藤がつきまといます。ガン細胞が増えることを止めるのが第一の使命ですから、ガン細胞の細胞分裂をストップさせたり、邪魔するのが抗ガン剤の作用です。
ガンを知ろうの項で記述されているように、、ガン細胞は正常細胞の、いわゆるコピーミスで生じたものです。ひとつの細胞が分裂増殖していく過程は、正常細胞に近いものです。それゆえ、抗ガン剤はガン細胞だけでなく、正常細胞にも影響し副作用として患者さんの体の機能を傷つけてしまいます。そういう意味では、抗ガン剤は「毒をもって毒を制す」タイプのお薬です。もともと抗ガン剤開発のきっかけは毒ガス研究からです。戦時中毒ガスを吸った兵士の血液のガンが治ったことが発端になっています。ナイトロジェンマスタードというお薬です。
抗ガン剤を使うに際して、副作用のコントロールは欠かせません。一般的な抗ガン剤の副作用には次のようなものがあります。
▲消化器症状:悪心(吐き気)、嘔吐、食欲不振、下痢
▲口内炎
▲脱毛
▲嗅覚喪失
▲聴力低下
▲手足のしびれ、神経麻痺
▲うつ
▲骨髄抑制(白血球減少など造血障害)
▲肺障害
▲心不全
▲腎不全
ガンという敵を攻撃するものの、一方で味方への誤攻撃もあるのです。ガン細胞が弱ってくれるのと、正常細胞が弱って人体の正常な機能が稼働しなくなるのと・・・このバランスが難しい。とくに、骨髄抑制、肺障害、心不全、腎不全などは致命的になりかねない副作用です。胃腸機能が低下すれば体力低下に直結します。高齢者や体力がすでに落ちている人には、正常な内臓が働くための栄養素の供給ができなくなるので、見た目の症状以上にダメージを与えます。
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