
鍼灸と温熱を用いた痺れの緩和には二つの方法があります。
(1)局所緩和法
・散気鍼
痺れる皮膚表面にリズム的に鍼を接して即効的に痺れを散らします。
・経絡刺鍼
痺れる箇所を走行する経絡にあるツボに鍼をして痺れを散らします。
・井穴刺絡
痺れる箇所を走行する経絡の末端の井穴(せいけつ)に刺絡をして痺れを散らします。
・局所加温
痺れる箇所の血行をよくして痺れを緩和します。
(2)根元緩和法
・全身加温
抗ガン作用の働きと末梢神経の障害部位の血行をよくして痺れを緩和します。
痺れ程度や痺れている箇所によって局所緩和法を組み合せて施術したり単独法で痺れをやわらげたりします。痺れている皮膚の下層は血行が非常に悪く冷えていますので血行を良くする温熱療法との併用は痺れの緩和には非常に有効な治療法となります。
【症例報告】
骨転移による臀部及び下肢部の痺れの緩和例
甲状腺癌(乳頭癌) 73歳 女性
肺、第4腰椎、左腸骨への腫瘍転移による痺れ
(大阪市福島区 なら愛語堂鍼灸治療院)
15年前に甲状腺左葉を切除し、3年前に肺に転移し、平成20年の10月末ごろに歩行時に異和感を感じて病院で受診したが異常なしと診断。
平成22年3月はじめに外出時に足が進まなくなり、3月下旬に某国立病院でMRI、CTの検査を受けて第4腰椎、左腸骨の骨腫瘍を認める。4月中頃、左側の臀部、左下腿部の内側、外側ともに冷たく鉄板のように突っ張って硬く感じ、痺れ特に臀部の痺れが辛く、自分で歩くことが困難となり、医師と相談したが痺れの治療は無いとの回答で、進行すると麻痺していくとの説明で放射線療法を行なう予定となったが、本人は出きることなら、放射線療法を行なう前に代替療法を試みたいとの思いがあり、幸い、家族の方が当院のホームページをみつけられ本院で治療を受けられる。

奈良修次院長
【治療を受けられる前の主症状】
・歩こうとすると左側の臀部、内側外側の下腿部に痺れ出現。特に臀部が著明で歩行困難。
・時折、咳が出現 胸が少し前屈みになり胸が張れない。
・寝る姿勢が限定され熟睡できない。
本院では、痛みや痺れのある場合は先に痛みや痺れをやわらげてからガン治療に着手します。この患者さんの場合、痺れが自歩行を困難にし、ガン治療への意欲もさまたげているように感じましたので最初に、左側の臀部、下腿部にある痺れをやわらげる治療から着手しました。
初回は中レベル出力での全身加温(40分)を行ないながら痺れ部位に刺鍼を行なった。加温後、痺れに有効経穴に刺鍼を行なった。治療後、気持ちが良かったといい、痺れも軽減し、治療前より自歩行も楽になる。
3回目の来院時にご本人から、下腿部の内側、外側が冷たく鉄板のような状態だった足の付け根から水か何かがヒヤーと上から下に流れるような感じがして、硬かった所が柔らかくなって来て、歩くのが楽になってきたと言われる。
4回の併用療法を終え、痺れ治療も期待通りに進みご本人もガン治療への意欲も高まり、5回目から本院が推奨しますガン治療の特別混合療法の実施を決意。
特別混合療法の2回目の自律神経免疫療法(痺れ治療含む)に来院されたときに、久しぶりに美容院に行って来ましたと嬉しそうに話され私も思わず嬉しくなり共に喜び合いました。
特別混合療法の2回目の特別加温療法(加温時間、保温時間を設定した治療法)が終わった時点で、治療を開始してこの間3回ほど大きな痺れがあったが、痺れも随分に楽になり、時たま痺れるが自宅で歩く事には問題がない程度にまで回復した。
(この間に、治療を受けた夜にガスや排便があり何回もトイレに行きその為に眠れなかった日が2回ありましたが、排便後は痺れも治まることから、蓄便が臀部の痺れの要因になっていたと考えています。温熱療法は腸粘膜の血流をよくして腸の運動をよくする効果が幸いして、宿便が解消されたと考えられます)
(トイレに行く前は痺れる左臀部がこぶの様に硬くなり痺れも辛くなりますが、便をスッキリ出し切ると腫れも引き痺れも改善しました)
また、娘さんのお話ですと、治療の帰りにラッキョを漬けたいといってラッキョを買われたようです。治療に来られたころは、少しうつ気味になっておられたようですが、治療を受けられる毎に明るくなられご自分からのお話も増えてきて少しずつ普通の生活を取り戻されて来ておられるようです。
特別混合療法の4回目の特別加温、5回目の自律神経免疫療法を終えて3日後に来院された時は、いつもの顔の症状とは比べものにならない楽しい笑顔で来院され、この2日間で起きたことを目を輝かせてお話になられました。
一つ目は、朝食後に吐き気が起こり食べたグレープフルーツなどを吐いてしまった後に、今まで胸を前にかがみこんでいたのもが胸をそらすことが出来るようになりスッキリした事。
二つ目は、全身の力が抜けたようにグッスリと眠ることができた事。
三つ目は、臀部の痺れが非常に楽になった事などを、楽しそうに話してくれました。
現在、週1回の特別加温療法と週2回の自律神経免疫療法を4週行ないます特別混合療法の1クールの終盤に入ってきましたがご本人が中心となりガン克服を願って治療をお受けになっておられます。
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