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再発・転移・進行・末期のガン対策

ガン体験者との対談

伊邊佳代さん 卵巣 明細胞腺癌 ステージ3b

起きてることはすべてベスト!
2021年11月 ガン患者会 NPO法人いずみの会 体験発表にて

こんにちは。札幌在住の伊邊佳代と申します。先週出演したラジオのパーソナリティの方から、「歌うがんサバイバー」というすごいネーミングをもらいました。「これいいな!」と思い、私はこれから「歌うがんサバイバーの佳代ちゃん」でがんばって行きます! よろしくお願いしま~す!


伊邊佳代さん 卵巣 明細胞腺癌 ステージ3b
歌うがんサバイバー 伊邊佳代さん 



◆「私はダメな人」が土台で生きてきた◆

まず、今の私はどうやってできたか?・・・経緯をお話します。

養育環境のなかで親の愛がとっても深く愛されすぎが故に「自分が自分でいられない人格」になりました。なんとか自分を保てたのはピアノの存在です。それでも何をやっても自分に自信が持てない「私はダメな人」が土台になって生きてきました。

親のために学業成績はよかったですが、友だち付き合いが上手くできず、いじめられもしました。「どうして私は上手くいかないんだろう」とモヤモヤしながら学生時代を過ごしました。卒業後は音楽教室で子どもたちにピアノを教えていました。

30歳の頃、生徒のお母さんから縁談を持ちかけられました。私でいいのかな?と思いながら、お見合いをしました。お付き合いを進めると、相手は私を気に入ってくれている様子。それなら断るのは申し訳ないという気持ちになって結婚しました。

結婚してみると、自己肯定感の低い私と同じような、いや、私よりもさらに自己肯定感の低い相手を引き寄せていました。なので、結婚生活も上手くいきません。奮闘するものの、結婚生活で「ダメな私」は強化されてしまいました。2003年に子どもを授かったことは感謝していますが、結局、子どもと一緒に実家に戻ることになりました。

その後、40歳で音楽教室を辞め、生命保険、ドライバー、介護など職を転々としました。でもどこでも失敗続きで、「やっぱり私はダメだぁ~」の日々でした。

ダメダメマインドで生きていると、私のダメな所を嗅ぎつけてくる人が現われます。「あなたピアノ弾けるのに、どうして介助ができないの!」と訳の分らない突っ込みに対し、「ピアノなんか弾けたって何の意味もな~い」と私も訳の分らない悲しみを感じてしまう始末でした。(笑)

介護の仕事に大きな挫折を味わった2017年、介護の仕事を辞めました。「これならなんとかなるかなぁ」と就いた仕事が、新聞配達とホテルの客室清掃の掛け持ち。2時半に起床して朝刊を配り、一息ついたらその足でホテルへ。終わったら、ピアノの出張レッスンに出向く。いつ寝て、いつ起きてるのか、時間感覚がなくなるような生活。体はだんだん痩せていく。家事も娘もほったらかし。娘には「お母さんは自分のことで精一杯、あなたは一人で勝手に育って!」と背中を向けていました。

2017年の夏頃、娘が完全に学校に行けなくなりました。そこで初めて「えっ! 私が何かいけなかったの!?」と思うに至り、今世は終わった感になりました。やっぱり私ってダメだから人生終わりなさいってことなんだ・・・悲しくなりました。そんな不安定な私を見た父の「頼むからオレの目の黒いうちに自立してくれ」という言葉もまたプレッシャーになってしまう。ダメ人間だから自立できないんだ、とまた落ち込む人生最悪の日々でした。

伊邊佳代さん 卵巣 明細胞腺癌 ステージ3b
2018年 教会で受洗 いちばんどん底のころ



◆風向きの変化と卵巣のがん◆

どうやら私自身に問題があるみたいだ・・・カウンセリングを受け自分のマインドを漂白剤ですっきり真っさらにしたかったけど、そんな簡単にはいかないとカウンセラーに言われ、また落ち込む。でもそのカウンセラーさんをはじめ、牧師さん、友人との交流を通じて、自分を変える方向性が見え出しました。

2019年の春、バスに乗っていてなぜか突然、「私、大丈夫の世界に入れるかも」という気になりました。それまで荒れていた娘には腫れ物に触るように接していたのですが、その出来事を境に娘と髪の毛一本くらいの通信線が開通しだしました。

少し風向きが変わるかなというところで、お腹にコロンとした存在を感じました。夜中にトイレに行く回数が増え、仰向けに寝ていると蜜柑ほどの大きさの塊がある。背中からエネルギーを吸い取られているようなざわざわした倦怠感もありました。私は子宮筋腫と勝手に思い込んで放置していましたが、周囲の人たちの勧めもあって近所の総合病院を受診しました。2019年8月のことでした。

いろいろ検査した結果、
「間違いなくがんですよ」
「えっ!?」
「子宮じゃなく卵巣ですね」
「えっ!? がんですか?わたしが?」
固まりました。

ドクターはさらに、「このガンの顔つきは別の所から飛んできた転移だね」

原発がどこか他にあって卵巣に転移している・・・私、絶対死ぬじゃん・・・驚き、ショック、怒り、悲しみがいっぺんに混ぜ合わさった感じでした。手は冷え、口は渇き、体中のあちこちで心臓が円舞している。 「どうしよう」「どうしよう」「どうしよう」 パニックでした。

受診した病院では治療対象外ということで、北海道がんセンターを紹介されました。10月に試験開腹して採った細胞を調べ、卵巣の明細胞腺癌ステージ3bと診断が確定しました。ちょうど私のがんが対象の治験があり、提案された治療プロトコールは【術前化学療法+根治手術+維持療法】でした。

抗がん剤はちょっと怖いなと思いましたが、治験ならこまめにチェックしてくれるだろうし、「つらかったらいつやめてもいいよ」というドクターの口添えもあって受けることにしました。化学療法を3クールして2020年1月に手術。その後また3クールの化学療法を3月に終え、4月からの維持療法を現在も継続中です。治療は滞りなく進み、ありがたいことに血液検査、CT検査とも良好に経過しています。あと半年くらいで終了予定です。

ネットでがんでも元気にしている人を探していたら、「いずみの会」がヒットしました。ホームページに電話相談が無料と載っていました。私なんか相談してもいいのだろうかと悩みながら意を決して電話を掛けてみました。副代表の斉藤さんが応対してくれました。私の話を聴き、斉藤さん自身の体験談(肺がん)、いろんな方のケースを話してくれました。1時間ほど電話して、私はしっかり治療に臨もうという気持ちになれました。


伊邊佳代さん 卵巣 明細胞腺癌 ステージ3b
2019年10月 入院直前に抗ガン剤の脱毛を想定して髪をショートに

伊邊佳代さん 卵巣 明細胞腺癌 ステージ3b
2019年11月 脱毛が始まりがんセンターの美容室でバリカン刈り


斉藤さんから紹介された「サイモントン療法」の本はすぐ取り寄せて読みました。「人は幸せになるため生まれてきた」「目の前に起きることはすべて必要な助けである」腑に落ちる言葉がたくさん散りばめられていました。手術の痛みも私を助ける必要最低限の楽な痛みなんだ、と解釈できるようになりました。また北海道在住のいずみの会会員がいることも教えてもらい、札幌在住の櫻井英代さんと繋がることができました。今でも支え励ましてもらっています。


◆大丈夫!生かされている!◆

なぜ私ががんを授かったのか?

「ダメを土台に生きてきた」 その生き方ってちがうんじゃないの!を伝えるために授かったと解釈しています。

自己肯定感が低く、自分を認められなかった。そのことに対しては母に恨みを持っていました。でも、母が亡くなり、自分ががんになってから、母なりに一生懸命育ててくれたんだと気づきました。がんが判明した頃は、ありがとうや感謝の気持ちがまったくわからない私でした。今はもう感謝しかありません。お父さん、お母さん、ありがとう。

今年の春、シンガーソングライターのAKIRAさんと出会いました。札幌で初めて「Hug yourself」を聴いたとき「私のことを歌ってる!」と思い、周囲の目も憚らず号泣しました。我慢に我慢を重ねて生きてきた人は私だけではないと思います。自分を労り、自分を愛してください。


伊邊佳代さん 卵巣 明細胞腺癌 ステージ3b
AKIRAさんのライブで伴奏&一曲歌う


娘がお世話になっていたカウンセラーさんに「悔い改める」と「食い改める」を指摘されました。掛け持ちで仕事していたときは忙しさと節約でちゃんとした食事をしていませんでした。割引ラベルが貼られたものばかり食べていました。

カウンセラーさんから、毎日、感動したこと、感謝したこと、それぞれ5つ見つけてメールで送る課題を与えられました。最初のうち、何が感動で何が感謝か? さっぱりわからなかった。続けるうちに“感じ方”が掴めるようになりました。

3週間ほど経ったある日、朝起きてカーテンを開けると朝陽に照らされ舞い降る雪がとても美しかった。「その美しさを感じられるのは生きているからなんだ。じゃ、なんで私は生きている? 自分の力だけで生きているのではない。大いなる宇宙の叡智みたいなもので、生きることを許されている」 そう考えたら何だかすごくありがたくなって、「私は愛されているんだ。生かされているんだ。ありがとう」 そんな想いがふわぁ~と湧いてきました。

それがリスタートの起点でした。「大丈夫。生かされている」の心境になると、現実が変わりました。イヤな人と関わることがなくなりました。本だけの知識だったサイモントン療法は、札幌在住の認定カウンセラーと知り合い、去年(2020年)7月に個人セッションを受けることができました。自分の在り方への理解とイメージが強まりました。さらに「強み塾」というドラッカー理論をベースにした自分の強みを見つけ伸ばし生かす講座も受講しました。サイモントン療法と強み塾は気に入って、それ以降もリピートしています。繰り返し受けることで「大丈夫」の上書きを重ねています。ダメモードに引き戻されそうになっても、その二つのコミュニティや繋がった仲間が安全基地になっています。


◆私は歌で伝えていく!◆

通っている講座の施設に音楽のオープンマイクがあります。たまたま私が居合わせた時にキャンセルが出ました。今までだったら「私なんて・・・」と尻込みしたのが、思い切って申し込みました。ずっとクラシックピアノを教えるだけだったので、自分が歌う、歌謡曲を弾く、という経験はありませんでした。唯一教材に使っていた「大きな古時計」を引っ張りだし、歌うことにしました。でも、キーは高いし、弾きながら歌うのも初めてで難しかったです。

それをもって、しばらく遠ざかっていた音楽活動を再開しました。レパートリーを増やしてイベントやオープンマイクに出るようになりました。自分から想いを発信することの大切さも気づきました。

必要な助けはすべて与えられている♪ 
目に映るすべてのことがメッセージ♪ 

目に映るすべてのことをどう捉えるか? それが大事なんですね。

私は歌うことで、
「大丈夫」 
「起きることはすべてベスト」 
「愛されている」 
を伝えていきます。


伊邊佳代さん 卵巣 明細胞腺癌 ステージ3b
2021年9月 北海道から名古屋のいずみの会事務所に来てくれた佳代ちゃん。友人へ歌をプレゼント。一曲だけ編集長はカホンでセッション♪



【編集長感想】

伊邊佳代さん、お話のなかで4曲歌ってくれました。

竹内まりや 命のうた
AKIRA Hug yourself
キャロル・キング You've got a friend
松任谷由実 やさしさに包まれたなら

伊邊さんが歌うことで最初に伝える相手とは、彼女自身です。それは、自分自身に歌い語りかける【行(ぎょう)】なのです。行を積み重ねることで、彼女自身が変わる。すると、聴いた人の心に響き伝わります。

それにしても伊邊さん、初めて相談を受けた頃と比べ、見間違うほど変わったなぁ。

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