
ガン相談専門のホームページを立ち上げられたハッピー薬店の橋本亨先生。橋本先生は生活習慣病やメタボリック、肥満の相談、指導において、薬屋さんの業界ではすでに有名な先生です。ガン相談には距離を置く同業者も多いのなか、あえて専用のホームページまで設けてガンの相談を受ける決断をされた理由を伺ってきました。

橋本亨先生(右)と編集長
小澤
すでに生活習慣病の指導で素晴らしい実績をお持ちの橋本先生が、ガン専門相談を設けたのはどういうお気持ちからなのでしょうか?
橋本先生
ひとつには、身近な健康相談で来店くださったお客様が、ご自身の体調や症状が改善することで信頼して下さり、ガンで悩んでいるお身内や個人の方を紹介されることが増えてきたんです。
小澤
ガンの場合、通常の医療ですんなり解決できないケースも多いですね。「ガン難民」という言葉もあるくらいですから。
橋本先生
もうひとつ。私自身大きなショックがあり、これがガン相談への取り組みへと思い立たせる契機となりました。
小澤
それはどんな出来事だったのですか?
橋本先生
私の家内の友人の、壮絶なガン闘病を経験したことです。彼女は当時まだ30代で、小さなお子さんもいた。保育園児と小学校5年生ですよ。3年間に及び、病院で通常のガン治療を受けました。標準治療と呼ばれるものです。彼女も若いから必死に闘病しました。苦しみながらも治療を受け続け、その間、一度もお子さんと外で遊ぶことも叶わず、ガリガリにやせ細って亡くなっていった。
小澤
身につまされますね・・・。
橋本先生
しかし、助からないにせよ、もっとちがう時間の過ごし方があったんじゃないかと・・・。その可能性があることを知っていながら、私はただ手をこまねいて見ていただけだったのです。自分自身、情けなく、後悔の念に苛まされました。
小澤
いろいろな選択肢があることを知っていながら、それを伝えることを躊躇した・・・。
橋本先生
その通りです。身近な人であったということもあって、かえって余計な口出しにならないようにと。
小澤
私もそういうジレンマに悩んだ経験はあります。でも、相手がどう捉えるかは別として、役立つかもしれない情報や選択肢に巡り合う機会を提供するべきだという理念から、私も「ガンの辞典」の編集運営をしています。あらら、手前味噌になっちゃいましたね。(笑)
橋本先生
そう。伝えることを止めてはいけないんです。それを自分なりに咀嚼して飲み込むか、それともポイッと吐き出すかは、患者さんやご家族が最終的に判断すべきことで、可能性に気付くチャンスはあったほうがいいでしょ?!
小澤
興味深いのは、ふつう薬屋さんのガン相談といえば、体力や免疫を考慮した漢方、薬草、健康食品に関するものが多い。ところが、橋本先生の場合はちょっとちがうようですね。
橋本先生
薬屋ですから、体を元気にするアイティムは持っています。しかし、一番たいせつなのは『心を元気にする』ことですよね。「治るんだ、治すぞ」と心から思える。その気持ちが、意欲が、希望が、病気克服の土台ですよね。
小澤
ええ、ガンを克服した、しかも医学的には非常に厳しいと判断されたガンを克服した人を取材すると、やはり共通するのは「心の持ち方」だなと感じます。月並みですが、《前向き》ですね。それが前提条件にあると、自分にとっての適切な療法を選択することもできるようです。実際にそういう研究報告もあります。(*参照「ガンと性格」)
橋本先生
なぜ治るのか、ということの理解と、心底克服しようという気持ちになること。そいう精神面でのケアの仕方、ノウハウが私の中で固まったことも今回ガン相談専門のホームページまで作って取り組むことを後押ししてくれました。
小澤
ただ多くの患者さんは、ガンという病気に対する恐怖心があります。また実際に、心の持ち方がそんなに体に影響するのかといぶかる人もいらっしゃるでしょう。
橋本先生
自分でも自信になった事例がありまして。ある若い免疫疾患の女性の実話です。ものすごく痛みを伴う病気で、このままでは体には負担になる強い副作用が出ることもある薬を飲まざるを得ないと診断されました。本人としてはまだ30代ですし、そんな薬は飲みたくないと相談されたんです。その時の彼女の頭の中は、痛みでもう仕事ができないというネガティブな考えでいっぱいでした。そこで、ちょっと前向きになれるようなアドバイスをしたところ、わずか1週間で検査数値が正常になり、薬を飲む必要がなくなったんです。
小澤
難病扱いの疾患が、1週間で・・・。
橋本先生
我ながらビックリしましたが、人体の能力ってつくづくスゴイなと思い知らされました。

ハッピー薬店さんは良心的でサービス精神旺盛です!
小澤
患者さん自身が、ガンという病気を受け入れて前向きになれることが、ガン克服のカギになることはわかります。しかし、前向きな気持ちになることへの障害もありますね。本人の足を引っ張るというか・・・。
橋本先生
ええ、本来はガンと一緒に闘うべきパートナーである医師や家族がネガティブになっているケースがあります。この場合、本人が前向きになっても意欲を削がれてしまいます。ですから私は、基本的に患者さん本人とご家族の方を交えて、相談やカウンセリングを進めていきます。また、前向きになるための本の紹介、患者会やセミナーの紹介もします。実際にガンを克服している人たちとの交流は、大きな希望を持たせてくれますからね。
小澤
それと、体調がすぐれないと心が元気になれないこともありますよね?
橋本先生
心が元気になるのが一番ですが、体調が悪いとなかなか明るい気分になれない人もいます。その点は薬屋ですから、漢方や薬草、サプリメントなどで対応できる部分は応じていくこともできます。
小澤
でもやはり基本は「心の持ち方」だと?
橋本先生
それはもう間違いないですね。前向きなエネルギーをいかに引き出すか。誰もがそういったエネルギーを持っていますからね。だから私たちは母親の胎内で生命の芽を出し、今まで生きてきている。それ自体が前向きなエネルギーじゃないですか。私たちは勝手に当たり前のように思って普段気にも留めてませんが、こんなにありがたいことはないわけです。
小澤
脳も内臓も筋肉も、本来からして前向きなんだ・・・。
橋本先生
後ろ向きに働いてくれたら困るでしょ?(笑)
小澤
「オレにはできないよ~」なんてしょげ返ってたら人体として機能できない。(笑)
橋本
だからまず、今がどんな自分であってもそれを受け入れて、できていることに目を向け前向きになっていくことは、とっても大切なんです。
小澤
ガンの人でも、前向きな気持ちを引き出すコツのようなものを、橋本先生はつかんだのですね?
橋本先生
万人に当てはまるマニュアルはありませんが、核となる部分は同じだと思います。そこに、それぞれの人の事情や局面ごとにアレンジして対処する必要はあります。
小澤
橋本先生のような「意識」を持った方と会うことで、患者さんやご家族の心身から前向きなエネルギーが湧き出ることを願っています。本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
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