
人の腸内環境を改善する物質として期待される「LBSカルチャー」。その生みの親は、農学部の学生時代から土の中の微生物にとりつかれてきた武安成一さんです。土や植物、家畜との付き合いから、なぜ人のお腹の中に至ったのか・・・。お話を伺いました。
小澤
本日は山口県からわざわざ大阪まで出向いていただき、ありがとうございます。
武安
いえいえ、しょっちゅう来てますから。今回は鉄道で来ましたが、普段は毎月のように山陰、大阪、鹿児島に車を運転して行くんです。
小澤
あの~、失礼ですがお幾つになられるんですか?
武安
77歳です。
小澤
いやぁ、それはご立派ですね。
武安
ありがとうございます。

大阪駅構内にあるホテルのカフェでお会いしました
左が武安さん
小澤
ではまず、LBSカルチャーがなぜ土の中から、人のお腹の中に辿り着いたのか?(笑)その長い道程についてお聞かせください。
武安
私は学生時代、鳥取大学農学部 農芸化学 応用微生物教室に所属していました。そこでは、土壌、ようするに土の中に存在する様々な菌を研究していました。
小澤
土壌の菌という微生物の研究ですか? 菌たちは、なにか仕事をしているのですか?
武安
ええ、とてもいい仕事をします(笑)。当時、強力な抗生物質をつくり出す菌を研究していました。抗生物質生産菌と呼ぶのですが、これが単菌(一種類の菌だけ)で菌株保存すると一年足らずでその生産能力が衰えてしまう。
小澤
有用な物質をつくり出してくれる菌なら、もっと長いこと働いてもらえると助かりますね。
武安
菌は発酵しながら有用な物質を生産するのですが、どうにか長期かつ安定的に有用な物質を生産させることはできないか? という研究テーマに取り組んでいたのです。
小澤
なるほど。そのときの研究がLBSカルチャーの共棲発酵方式に結びつくのですね。
武安
そうなんです。日本人は古来よりたくさんの発酵食品を食してきました。酒・醤油・味噌・糠漬等、各種発酵食品は、基本的に全て複数の微生物による糖類を原料とした共棲発酵なんです。それをヒントに共棲発酵という仕組みを開発することで、菌に長期かつ安定的に有用な物質を生産させるという課題がクリアできました。
小澤
3種類の菌・・・乳酸菌、納豆菌、酵母菌・・・による共棲発酵。この3つの菌の組み合わせにされた理由は?
武安
この3つの菌は意図的に組み合せたわけではないのです。人工的に区分けしたわけでもない。土壌をとってきて培養すると最初はダッーといろんな菌が出てくるんですが、最終的に残ったのを調べてみると日本人に馴染みのある菌だったのです。
小澤
ということは、自然の妙味ということですか。
武安
ええ、我々が手を加えたり操作したのではなく、日本という気候風土の中ではこれらの菌の組み合わせが理想的ということなのかもしれません。
小澤
LBSカルチャーは当初、家畜やペットの感染症予防、皮膚病治療、糞尿臭減少などへの適用試験をされましたね。
武安
植物は葉に含まれる葉緑素の働きと日光からでん粉をつくります。つくられたでん粉のうち1割くらいがブドウ糖の形で根から分泌され土壌の微生物の栄養となります。微生物たちはブドウ糖を栄養にして増殖するんですが、その際に“免疫活性物質”を生産し分泌します。植物はそれを根から吸収して自らの生育や自己の免疫力向上に利用します。さらに動物が免疫活性物質を蓄積した植物を食べることによって免疫力を獲得しているのです。
小澤
素晴らしい自然の循環ですね。その自然のシステムにのっとって動物に使ってみることにした?
武安
畜産農家の悩みは、家畜の糞尿臭や病気です。LBSカルチャーを食べさせることで家畜の悪臭の低減、乳牛の乳房炎の減少、生後間もない仔牛や仔豚の生存率の向上などが見られています。家畜が獣医に罹る頻度が大きく減少し、医療費の削減にも貢献しています。畜産での活用が進み、抗生物質が必要なくなれば、家畜も糞尿を肥料にする植物も、そしてそれらを摂取する人間の健康にも大きく貢献できるでしょう。
小澤
ならば、直接人間が摂取してみたら?ということですね。人用のサプリメントを開発したのは?
武安
動物の免疫能が改善されることを目の当たりにしたので、当然これは人にも役に立つんじゃないかと。それと研究を進めていくうちにLBSカルチャーには、抗酸化作用があることもわかりました。
小澤
LBSカルチャーは腸管免疫のデータがありますが、腸内環境改善で一般的なのは善玉菌そのものを補充する「プロバイオティクス」です。LBSカルチャーの場合は、ちょっと手法が異なりますよね。
武安
LBSカルチャーは「バイオジェニックス」に属します。バイオジェニックスは、微生物の発酵によって生産された体に有益な物質を活用する健康法です。
小澤
栄養医学の世界では腸は「ゴッドハンド」と呼ばれています。腸の粘膜は食べた食物の栄養を自動的に取捨選択し、必要な物質に代謝させる働きも担っている。
今までお話を伺ってきて、私は青森のリンゴ農家 木村秋則さんの「奇跡のリンゴ」という本を読んでいたく感心したことを思い出しました。無農薬のリンゴを作ろうと大変な苦労をされるのですが、それはもう壮絶な取り組みで、NHKの「プロフェッショナル」という番組でも取り上げられました。当初木村さんは病害虫を除去するために農薬の代替品探しをするんですね。ニンニク、ワサビ、酢・・・可能性のあるありとあらゆるものを6年間試した。しかし、上手くいかなかった。家族の生活費もままならないほど追い込まれた木村さんは、失意のあまり死に場所を求めて山の中に向かった。そこで目にしたのが、農薬も肥料も使うことなく自生して実をつけている森の木々だった。その時、木村さんは自分のリンゴ畑との違いに気づいた。なんだと思います?
武安
「土」だった。
小澤
ご明解! イキイキとした木々を生い茂らせていたのは、土だったのです。農芸化学 応用微生物教室ご出身の武安さんには愚問でした(笑)。
武安
土が生きているということなんでしょうね。土の中の有機物、水、日光、落ち葉、草、虫や微生物などが合作して生命力豊かな土を作る。そういう土で育った木々は病害虫にも強い。人間でいえば免疫力がしっかりしている。
小澤
木村さんは、畑のリンゴの木を自然の循環から切り離していることに気づいたんですね。病害虫のせいでリンゴの木が弱ってリンゴの実が生らなかったのではなく、リンゴの木が弱ったから病害虫が発生した。だから畑のリンゴの木を野生に戻そうとしたんです。野生化のために土作りからやり直したんです。私はこの話を読んで、まさに人の体の健康も同じことだなと痛感しました。
武安
人間に置き換えれば、腸内の菌が土の中の微生物に相当すると考えられますね。様々な栄養の分解、代謝、吸収に関わっている。人体も野生に近づけば、治癒力が作動して病気に強くなる。
小澤
栄養素が順を追ってしっかり代謝すると、内臓や器官が本来の機能を発揮する。それだけで健康を回復したり病態を改善することがありますね。
武安
これはあくまで体験例ですが、LBSカルチャーを飲んで胃腸のポリープが消えた人(参考画像)や、子宮筋腫が小さくなった人がいます。また、LBSカルチャーを飲むことで、肝機能が改善されたり風邪をひかなくなったという人がたくさんいるんですね。LBSカルチャーは化学薬品のような成分ではありませんから、腸管の状態が改善されて代謝がよくなったとしか考えられない。
小澤
LBSカルチャーは、人体本来の野生の生命システムを復活させてくれる一助になると期待しています。本日はありがとうございました。
【追記】
歴史のある漢方医学も五臓六腑のうち「胃腸」をとても重要視します。
両親からもらった尊い生命力。生まれた後、その生命を育むのは食べること。
どんなものを食べるかも大切ですが、食べた物を有効利用(代謝)するためには胃腸が健やかに働いてくれることですね。
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