
ガンなど病気治癒の妨げになっている潜在意識の思い込みを変える
ヒーリング
2009年10月 東京にて
「病は気から」という言葉がありますが、心の持ちようが病気の悪化や回復にかかわるのは、私たちが経験的に知るところです。その心には意識できる部分(顕在意識)と意識できない部分(潜在意識)があります。より私たちに影響力の強い潜在意識とガンの関係・・・脳外科医である串田剛先生にお話を伺いました。

串田剛先生(右)と編集長
◆心が病気に及ぼす影響とは?◆
小澤
串田先生と、やっとお会いできました。シータヒーリング発祥のアメリカまで出向かれてワークショップに参加されたり、国内でのセッションなどお忙しいですね。
串田先生
いやいや、東京までご足労かけるのに調整がつかず、ご迷惑かけました。
小澤
実は7月の「がんコンベンション」で初めてシータヒーリングに出会い関心を持ったのですが、それをなんと脳外科のお医者さんが先頭に立って広めようとしていることにびっくりしました。
串田先生
脳外科医のイメージに合いませんか?(笑)
小澤
合いません(笑)
脳外科というと次から次へと運ばれる救急患者の救命や、緊急の外科的医療の最前線というイメージがありますが、どういうきっかけでヒーリングに興味を持たれたのですか?
串田先生
もちろん、そういう職務も数多くこなしてきました。しかし脳外科が担当する患者さんの多くは基礎疾患を持っています。糖尿、高血圧などの慢性病です。同じような病状の患者さんに、同じ治療を施しても治る人と治らない人がいる・・・。
小澤
確かに。
串田先生
その治る人と治らない人の差は、なんだろうと考えたんですよ。たんに治療や薬の効き目の個人差なのか?
小澤
よく、個人差があるからしょうがない、というような言い方をしますが。それじゃ、具体的にその個人差は何なんだ?ということを突き詰めるお医者さんはあまりいないようです。
串田先生
もちろん器質的な、たとえば内臓の働き具合や代謝能力などのちがいもあるでしょう。でも、どうもそれだけですべて説明できない。どうやら、心の問題なんじゃないかと踏んだわけです。
小澤
またそこで精神疾患でない(という扱いに現代医学ではなっている)肉体の病気と心の深い部分を正面切って見据え、取り組もうとするお医者さんも珍しい(笑)
串田先生
脳外科は元々ユニークな人が多いですがさらに珍しいヘンな医者が僕です(笑)
小澤
私の薄っぺらい知識では、ヒーリングは心の深い部分を癒したり、良い方向に変容させるものだと理解しているのですが、どのように病気と関わっているのでしょうか?
串田先生
心という言葉ですと漠然としてしまうので、「意識」という用語を使いますね。「顕在意識」と「潜在意識」という言葉は聞かれたことがありますか?
小澤
え~と、自分で自覚できる意識が顕在意識で、自覚していない意識、無意識という呼び方もあるのが潜在意識だったと・・・。自己啓発やスポーツ競技者のイメージトレーニングなどでは潜在意識に働きかけるのですよね?
串田先生
端的に言って、顕在意識と潜在意識では潜在意識のほうがその人の思考や行動に及ぼす影響が強いのですよ。意識の情報量をコンピューター用語で表すなら、顕在意識が毎秒15~20ビット、潜在意識が毎秒1100万ビット。
小澤
桁違いどころではないですね。だから、顕在意識は氷山の一角といわれるのですね。海面下のほうが膨大な量の氷山があって、海面上の出ているのは、そのうちのほんのわずか。
串田先生
ええ。ですから、ある事に対し顕在意識で「YES」と思っていても、潜在意識で「NO」と頑なに信じていたら、やろうと頭で思っても上手くいかない。
小澤
事業で成功したいと思っても、潜在意識レベルで「金儲けは悪だ」という思い込みがあったとしたら成功できない。自己啓発の本で読んだことがあります。オリンピックでメダルを争うレベルの選手では、潜在意識の思い込みの差は大きいでしょうね。でもその潜在意識で思ってることが病気にも影響するのでしょうか?
串田先生
すべての人に強く作用するわけではありませんが、潜在意識が病気を引き起こすこと、悪化させること、また病気を治りにくくすることに関与していると私は考えています。何らかの思い込みが病気を治すことを阻んでいたら、肉体にアプローチする治療の効果にも影響する。
◆シータヒーリングとは?◆
小澤
では、シータヒーリングとはどういうものなのですか?
串田先生
創始者はヴァイアナ・スタイバルさんという女性で、ナチュロパシーを学んだセラピストです。彼女自身の癌によって右足を失いかけた体験から生まれたのがシータヒーリングです。一般的な医療や代替医療など様々な治療を行いましたが、どれも上手くいかなかった。そのとき、自分が使っていたシンプルな方法でヒーリングもできることを発見したのです。その方法で彼女の足は完治した。
小澤
自らの療法で治ったという話は他にも耳にします。その人だけに当てはまるということも少なくないように思いますが・・・。
串田先生
確かに彼女自身の体験だけなら神秘的、奇跡的で終わってしまうかもしれません。しかし、彼女はこのシータヒーリングを広め、4万8千もの症例を集めています。また、物理学者によってこの方法は脳波がシータ波になるという特徴があることがわかりました。
小澤
だから「シータヒーリング」?
串田先生
そうです。脳がシータ波状態になると潜在意識に繋がりやすくなる。私たち東洋人に馴染みのある瞑想や座禅のときの脳波状態ともいわれています。
小澤
脳波といえば、リラックス時に出るアルファ波は有名ですよね。
串田先生
シータ波はアルファ波よりさらにリラックスした状態といえます。
【備考】
脳波(脳が発生する電気的信号)の分類
1~3Hz:デルタ波(δ)・・・深い睡眠時
4~7Hz:シータ波(θ)・・・眠りに入るウトウト状態
8~13Hz:アルファ波(α)・・・リラックス、目を閉じたとき
14~30Hz:ベータ波(β)・・・精神活動時
30Hz以上:ガンマ波(γ)
小澤
しかし脳がリラックスしただけで、肉体の病態が改善されるのでしょうか?
串田先生
リラックスさせるのが目的ではありません。その人の病気と深く関わっている潜在意識の「思い癖」、言い換えれば「思考パターン」「思い込み」を変化させるのが狙いです。
小澤
先程の顕在意識と潜在意識の特徴を思い出せばいいですね。
串田先生
潜在意識の病気に影響している不都合な思考パターンに気づく。それを手放したり、封印されている健全な感情や思考パターンを呼び覚ます。その際、脳がシータ波状態になると、そういったテクニックがとても効果的になるのです。
小澤
それは誰でもできるのですか? 特別な能力がないとできないのでは?
串田先生
ヒーリングは、プラクティショナー(ヒーラー)とクライアントが1対1でカウンセリングのような会話を通じてヒーリングを行います。シータ波状態に入りやすい人、入りにくい人はありますが、基本的にどなたでもできるヒーリングです。
小澤
他にも様々な心理療法やヒーリングがありますが、シータヒーリングにはどんな特徴がありますか?
串田先生
私もすべての方法を学んだわけではありませんが、思考パターンの変化が速い、というのは実感しています。不都合な思考パターンを認識させるだけでなく、実際にチェンジさせる。そのスピードが速いですね。
◆ガンとヒーリング◆
小澤
私は「ガンの辞典」の編集長として取材に伺っていますので、ガンという病気に対してシータヒーリングがどうなのか?お聞きしませんと帰れません(笑)
串田先生
それはそうですね(笑)
小澤
国内外、心とガンの研究報告は多数あります。ガンのセルフイメージ療法として有名なサイモントン療法、筑波大学のSAT療法などの認知度も高まっています。また、ガンの自然退縮の患者さんに直接インタヴューを行い事例収集した中川俊二医師と池見酉次郎医師の先駆的な研究では、患者さんに「実存的転換」が見られたと報告しています。
串田先生
実存的転換とは、時に人格が変わるほどの思考パターンの変容です。
【備考】
実存的転換
「ガンや死への恐怖がみられず、ガンであることを自覚したのを機に一大転換がおこり、不安、恐怖を克服して、生活の是正とともに、新しい対象の発見や、満足感、生き甲斐の再発見、そして残された生涯の一日一日をより有意義に、また感謝しながら前向きに行動するという姿」(『がんは、「気持ち」で治るのか!?』三一新書 より)
小澤
とすると、ガン患者さんの中にはヒーリングによって治る方向にグイッとギアチャンジできるタイプの人がいるのでは?実存的転換がいいとわかっていても、潜在意識にそう変わることを抑制するような思考パターン、思い癖を持っていれば、できにくいでしょう?
串田先生
そうですね。潜在意識で治りにくい思考パターンを強く持っていると、治癒を妨げることも考えられます。ガンと潜在意識の関わりは大きいと思います。とくにガンという病気は世間一般でネガティブなイメージが強い。どうしても「死」が連想されますし、医者もマイナス思考を喚起するような言葉を言ってしまうことが少なくない。そういったものが潜在意識にある不都合な思考パターンを強化してしまえば、施術された治療の効果や患者さん自身が持っている治癒力が十分発揮できない。
小澤
実際にガン患者さんでシータヒーリングを受けられた方の例をお話いただけますか?
串田先生
先の4万8千例の中でも、ガン患者さんのヒーリング例は少なくありません。ある50代の肺ガンの女性の例は、お話しする許可を頂いているのでちょっとご披露します。
肺ガンがリンパと肝臓に転移していました。手術が不可能なケースで絶望的なガンといわれていました。シータヒーリングをしてみると、この患者さんは「強い悲しみのエネルギー」を抱えていることがわかりました。実際短期間のうちに、お父さん、ご主人など身内3人をガンで亡くしておられた。その人たちの苦しみを自分が引き受けなかればならないという潜在意識の思いがあったのです。数回のワークで気持ちが楽になり、3ヶ月経つと腫瘍マーカーが下がり、肝臓の転移は画像ではわからなくなりました。
小澤
喜怒哀楽という感情自体に良し悪しはないでしょうが、怒り、悲しみ、憂いなどが発散されずに長く内にこもると病の原因になるというのは漢方医学の理論にもあります。ガン患者さんに共通する思考パターンはありますか?
串田先生
あまり決め付けたことを言って誤解されてもいけません。当然思考パターンには個人差がありますから。ただ、「まじめ、頑固、かかえこむ」という傾向があるように思います。ガン種ごとの思考パターンの傾向も見られるのですが・・・。
小澤
まだ公に発表できる段階ではないのですね。しかし、日本人の国民性からすると「まじめ、かかえこむ」タイプの人は多いでしょう。順天堂大学免疫学教室の奥村教授も「MUST(~しなければならない)」という思考パターンは免疫力を低下させると言っています。
串田先生
まじめな性格が悪いわけではありません。ただ、その根底に潜在意識で不都合な思考パターンが存在すると、病気に対しても悪影響を及ぼすことがあるとお考えください。他にも自己犠牲的な思考パターンとガンの関連も高いと考えています。
患者さんが明るく、前向きになるのはガン克服の好条件であることはわかっています。大いに笑うこと、喜ぶこと、楽しむことは、免疫アップやガンを治す遺伝子が働きやすくなります。しかし、潜在意識がそのようなプラスの気持ちになることを妨げていたとしたら、なかなかギアチェンジできません。
小澤
なるほど、ガン克服の鍵は自身の内部にあるようですね。お忙しいところご協力ありがとうございました。
【編集長感想】
ガンを治そうとガンそのものや肉体ばかりいじっている方は、もしかするとスクリーンに映る画像を変えようとしているだけなのかもしれません。スクリーンに映しだされる画像は、「実体」でないにもかかわらず・・・。
*2009年11月にシータヒーリングの日本語訳が発刊されました。
◆シータヒーリングジャパンの公式サイトはこちら!
【トピック】
この本(↓)の最終章に著者である消化器外科医 萩原優先生と串田先生の対談が収録されています。
『がんの催眠療法―医療現場におけるスピリチュアルケア』 太陽出版
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