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ガン対談

愛知医科大学病院 先制・統合医療包括センター部長 福沢嘉孝先生(愛知医科大学大学院医学研究科教授)

健康寿命延伸!病気の芽を摘む先制医療!
2015年6月 愛知医科大学病院 教授室にて
 先制・統合医療包括センター(2015年5月14日オープン)の目的は東洋医学でいう“未病”(病気が現れる前段階)で病気のリスクを察知し、発症を回避することです。ゲノム解析というツールを使うことでリスクを調べ、取り組む療法や健康法がリスク低減に有効なのかどうかを客観的に判定できます。センターの名称にある「先制」は病気発症の前に“先制して防ぐ”、ことを意味している。ガン罹患者が再発リスクを検知するツールとしても評価されています。


愛知医科大学 先制・統合医療包括センター
愛知県長久手市にある愛知医科大学病院


愛知医科大学 先制・統合医療包括センター
新設された先制・統合医療包括センター部長の福沢教授は医学教育にも熱心に取り組まれている




◆研修真っ最中に、医師の研修のあり方に疑問を持つ!◆

小澤
先日の講演会(5/28岐阜養老 船戸クリニックにて)では、新たなプロジェクトについて知ることができました。ありがとうございました。今日は、そのプロジェクトをもう少し掘り下げてお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

福沢先生
センターのオープンに伴い大急ぎで(教授室に)引っ越してきたので、まだ段ボールも積んだままですが、まあお掛けください。(笑)

小澤
センターのパンフレットを拝見すると「未病(みびょう)」という東洋医学の用語をお使いになっています。先般の講演でも「自然治癒力」という言葉が頻繁に出てきました。大学病院の教授が口にされるキ―ワードというイメージがなかったので、ちょっと気に留めたのですが…。(笑)

福沢先生
いやいや、今はそんなことはないですよ。(笑) 「自然治癒力」は常識的な言葉になりつつあります。全国の医科大学では文部科学省のモデルコアカリキュラムに基づいて、東洋医学である漢方薬の講座を設けています。当大学でも東洋医学を14コマ(1コマ70分)履修します。漢方は統合医療の代表選手で、「自然治癒力」という概念が出てくるのです。

3日前も、「西洋医学のように病名を決めて薬を処方して終わりではない。全体的な心と体のバランスを整え自然治癒力を元に戻してあげるのが漢方だ」という講義を学生にしてきました。

小澤
福沢先生が漢方の講座を担当されているのですか?!

福沢先生
東洋医学の講義を2コマ担当しています。また,それとは別に,
有志の学生と漢方を勉強する会も7年続けています。いつもは4月からスタートするのですが、今年はセンター開設があってちょっとズレちゃいましたが。(笑)

小澤
福沢先生は抗酸化の研究もされていて、サプリメントに使われるような成分のエビデンスにもお詳しいですが、漢方をはじめとする統合医療にはいつ頃から関心を持たれたのですか?

福沢先生
愛知医科大学を卒業(1984年)した1年目、ここの大学病院で研修をしました。当時の研修は、先輩の後を付いて回り陰からただ見学しているだけなのですよ。見学するだけで1年目の研修を終えた。患者さんに一切触れることがなかった。診療している実感がまったくなかった。

小澤
医師国家試験に合格し、晴れて医師になったのに肝腎の診療は1年間できなかった?!

福沢先生
そこで私は教授に頼み込みました。「自分はもっと世の中に貢献したいです。自分で診察して治療できる病院を紹介してください!」

小澤
2年目で教授に直談判した?!(笑)

福沢先生
そうしたら教授が、「こんなこと頼むのはお前が初めてだ。福沢がそう言うなら君たちの世代は同じように感じているのだろう。だったら関連病院で臨床の実地訓練をさせたほうがいいかもしれない」と考えてくれました。それで私は中部労災病院に赴くことになったのです。

小澤
懐の深い教授ですね。

福沢先生
当時、中部労災という病院は「野戦病院」でしてね。港湾関係の労災、交通事故、その筋の方々(笑)などなど、とにかく夜間もひっきりなしに運ばれてくる。朝から深夜まで、いや夜を徹して診療しました。

小澤

研修医として派遣されたのですよね?

福沢先生
ええ、1~2年研修するつもりが、気がついたら6年いました。(笑) でもそのおかげで、自分で診断し自分で治療することこそ医療の醍醐味だと認識できました。ですから、当時の大学の研修は間違っている!ということをその6年間で学んだのです。

小澤
実務を経験したことで、疑問視していた研修カリキュラムの欠点が明らかになった!?

福沢先生
臨床現場で身に付けた診察技術、メディカル・インタビュースキル、コミュニケーションスキルなどを大学に持ちかえって、研修医に教えてあげたいと思いました。私が6年間身を粉にして習得したスキルを、2年くらいで研修医育成に役立てたいと思ったのです。

小澤
研修医として何をどう学べばよいかわかったから、体系化すれば効率的な医師育成カリキュラムができる!?

福沢先生
そうしたら教授から、そろそろ大学に戻って研究しないかと帰局(所属している医局に戻ること)命令が出た。

小澤
あらまあ、タイミングのよいこと!(笑)

福沢先生
それで大学に戻って(1989年 平成元年)研修医の指導を受け持ちました。今でこそ研修教育システムが確立されていますが、当時は何も教えてもらえず丁稚小僧のように先輩の後を付いて技を盗むしかなかった。それを手とり足とり、患者さんに触れて診療できるようにしました。


先制・統合医療包括センター
気さくな福沢嘉孝先生



◆漢方との出会い◆


小澤
ただその6年間は通常の西洋医学的現代医療のみで対応されていたのですよね?

福沢先生
野戦病院ですから、研修医といえども労働力、即戦力です。(笑) 2年目から週2回の外来、週3回の当直勤務。何千人という患者さんを診ました。考えるよりも、まず体を動かして目の前の患者さんに対応するしかなかった。そうして大学に戻り少し落ち着いて診療手法を考察してみると、どうも旧態依然としている感じを拭えなかった。「もっと多面的に患者さんを診療できないか?!」と考えるようになった。

小澤

6年間のハードな臨床経験で、納得できない部分があった?

福沢先生
大学に戻った翌年、別のスキルを求めているところに出会ったのが漢方です。まさしく、目から鱗でした。学んでみると非常に面白い。労災病院時代の西洋医学一辺倒のスタイルを変えるには、この東洋医学の手法はもってこいだと思いました。

小澤
東洋医学、漢方が統合医療への扉を開いてくれた?

福沢先生
それから自腹で漢方、鍼灸、他のいろんなセミナーに通い出しました。

小澤
漢方は福沢先生にどんなインパクトを与えたのですか?

福沢先生

西洋医学は病名を決めたら使う薬はどの人も同じ。一方、漢方は患者さんという人間を丸ごと全人的に診る。「心身一如」で心も体も同時に診る。ですから、患者さんの“診かた”が変わりました。それまでは、“病気”を診ていた。漢方を学んでからは“患者さん”を診るようになった。

小澤
ガンの患者会でもよく話題になるのですが、ガンという病気の性格上、どうしてもガン(病気)が主役になってしまう。病院に行けば、腫瘍マーカー、画像診断、腫瘍(ガン)の大きさ、抗ガン剤の奏功率、5年生存率・・・と、ガンにばかり目を向ける。(笑) でもよく考えてみれば、人生の主役は患者さん自身です。実際、医学的に厳しいと診断されたガンを克服された方に共通しているのは、人生の主役をガンから自分に取り戻したことだと感じました。

福沢先生

そこで漢方で学んだ“診かた”が役に立つのです。パーツではなく全人的にアプローチするには、現象として現れている病気だけでなく、病気を起こしている背景となる心と体に目を向ける必要がある。

小澤
西洋医学では心となると肉体とは別領域として精神科や心療内科の担当になりますが、漢方では別々ではなく同時にカバーする。

福沢先生
私自身、西洋医学一辺倒でやっていたら、こんなに診療の幅は持てなかったでしょう。西洋医学がいわば病名チャート式ならば、漢方は患者さんの「証(病気の原因となる体質)」を割り出して処方を決める。もしAさんとBさんが、同じ症状であっても証が異なれば処方する薬はまったく別のものになる。


◆最先端の科学技術+統合医療◆

小澤
となりますとね、新設された「先制・統合医療包括センター」のトップに、西洋医学だけでなく東洋医学の物差しをお持ちの福沢先生が就任された意義が見えてきました。

このプロジェクトを知った当初、最先端の遺伝子検査を用いてガンのリスク(初発、再発)を減らそう、健康寿命を延ばそう、という際に医療背景が西洋医学だけのドクターでは受け皿として不十分ではないかと懸念したのです。

しかし福沢先生のようなバックグラウンドをお持ちのドクターでしたら、その人丸ごと診るスキルをお持ちですから、生活習慣の改善に対するノウハウ、そして何より意識が十分備わっておられる。

福沢先生
ありがとうございます。それで先だっての講演でも必要に応じて「生活習慣に“介入”させてもらいます」と、お話したわけです。(笑)

 人間の健康に対し、西洋医学の最先端をいく遺伝子検査と統合医療をくっつけて包括的にアプローチする。要するに、「あなたの病気だけを診るのではありませんよ。あなたという人を包括して診るのですよ」という趣旨でセンターの名称にしたのです。

小澤
「先制・統合医療包括センター」という名称は福沢先生が命名されたのですか?

福沢先生
このプロジェクトは理事長の依頼を受け私が考案して大学の理事会に諮り、GOサインが出ました。名称は「予防センター」でいいのではという意見もありましたが、私は「先制・統合医療包括センター」にこだわった。私が東洋医学をやってなかったら、このネーミングは思いつかなかったでしょうね。(笑)

小澤
なるほど。しかももし、統合医療的生活習慣介入という受け皿がなく、ただ遺伝子検査で癌リスクを評価するだけでは、恐怖心を煽るだけになってしまいかねません。

福沢先生
そうなんです。「先進医療でこういう結果が出ました。けれども、生活習慣を変えることでリスクが下がりますよ!」と、患者さんに伴走して導いていくことが当センターの役目だと思っています。それこそ統合医療の全人的なノウハウの真骨頂でしょう。

小澤
具体的に介入する生活習慣はどんなことになりますか?

福沢先生
睡眠、食事、運動、メンタル・・・これが4本柱ですね。その他,禁煙,禁酒などです.

小澤
すべて福沢先生が患者さんの必要に応じて介入指導されるのですか?

福沢先生
一通り指導はできますが、例えば患者さん一人ひとりの運動に付き添うことはさすがにできません。(笑)ところが、愛知医大には「運動療育センター」がある。

小澤
ああ、ありますね。

福沢先生
そこには管理栄養士と運動インストラクターがいるので、私が依頼箋を書いて個々にメニューを作って対応してもらいます。

小澤
遺伝子検査を受けられたご本人が、自分なりに生活習慣改善のプランを作って実行する。それはそれでよいのですか?

福沢先生

それで構いません。私は栄養と運動の学会認定医・専門医・指導医ですので、無理のないプランかどうかはチェックし管理指導ができます。

小澤
メンタルについては言うまでもなく、健康のベースとして大きく影響すると思いますが。

福沢先生
メンタルは閾値が個々にちがうから一概には言えないですが、中等度以上のストレスが長年続くとメンタル的に異常が出てくると思います。それは体内時計、体内環境を狂わす大きな要因になります。そうなると免疫担当細胞が弱って毎日発生しているガン細胞を抑えきれなくなってくる。

自然治癒力は機能せず、ガン遺伝子とガン抑制遺伝子のバランスも破綻する。その状態が長年続くと5㎜くらいの大きさに育って検査で見つかり、ガンと診断される。

小澤
メンタルについては、センターではどのように対応されているのですか?

福沢先生
私でできることはしますが、必要に応じて心療内科(含,精神神経科)とタイアップしています。

小澤

生活習慣を変えてリスクがどのくらい変わったかを見るには、どのくらいの期間を目安にすればいいでしょうか?

福沢先生
1度目の検査から3~6ヶ月後に2回目の検査を受ける、というのを目安にしてもらいます。今までのデータからしても、人間はほぼ3~6ヶ月で行動変容できるとされています。

小澤
生活習慣を変えることでリスクが下がることが目に見える形で示される。その信頼性たるや、ガンに対する医療者、患者さん、社会の意識変革に大いに貢献すると思います。今日はお忙しいところ、ご協力ありがとうございました。



◆愛知医科大学病院 先制・統合医療包括センターの詳細はこちら!


◆先制・統合医療包括センターの紹介記事はこちら!



愛知医科大学 先制・統合医療包括センター


愛知医科大学 先制・統合医療包括センター



【編集長感想】


大学病院の“教授先生”なるイメージとよい意味で懸け離れた(笑)福沢嘉孝先生。親しみやすい表情、わかりやすい語り口も、病気ではなく患者さんを全人的に診る統合医療に携わるお医者さんならではと思いました。

人を丸ごと診るガン医療は、恐怖心を煽らず、人間の持つ治癒力や回復の可能性にスポットを当ててくれる。それは患者さんにとって大いなる勇気と励みになります。

そして、そのような医療を医学生に伝授する立場にあることで、今後の医学教育に大きく貢献されると思います。
(福沢先生は統合医療学会愛知支部を立ち上げ、支部長の任にも就かれています)



















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