
ガンに漢方薬を用いる時の目的は、
①手術後の体力回復
②抗ガン剤・放射線の副作用軽減
③ガンに伴う諸症状およびQOL(生活の質)の改善・・・食欲不振、むくみ、排尿排便など
④体力・免疫力の底上げ
⑤ガン体質改善を補完
が主になります。
つまり、一般的な三大療法と呼ばれるガン治療(手術・抗ガン剤・放射線)に代表される、直接的にガンを攻撃してガン細胞の数を減らすものではなく、患者さんが持つ治癒力を最大に発揮できる体に立て直すことを主眼に置いています。結果、体調がよくなったり延命につながったりします。この場合、患者さん個々の心身の状態(証=しょう)を調べ(弁証=べんしょう)、改善目的に適合した漢方薬を調合します。
しかしながら、ガンという病は現代特有の病気ではないようです。考えてみれば至極当然の話です。大昔も今も人の体を構成している細胞のメカニズムに変わりはないでしょうから、漢方の古典医学書に「ガン」に近い記述があっても不思議ではありません。医学書に見られる『積』『聚』といった病名は、おそらくガンのことだろうといわれています。したがって、その治療に用いられる漢方処方も記載されています。
そうした流れから、中国でも伝承的に抗ガン薬草として使用されているものがあります。白花蛇舌草(ビャッカジャゼッソウ)、半枝蓮(ハンシレン)、半辺蓮(ハンペンレン)、仙鶴草(センカクソウ)、三七(田七)人参、莪朮(ガジュツ)などです。
また、菌類(キノコ)の抗ガン作用には中国だけでなく日本でもかなり古くから着目されています。ブームにもなったアガリクス(正式には姫マツタケ)、メシマコブの登場より遥か以前から、キノコ類はガンの薬草として民間利用されてきています。冬虫夏草(トウチュウカソウ)、雲芝(ウンシ)、霊芝(レイシ:カワラタケ)、梅寄生(バイキセイ:コフキサルノコシカケ=中国では樹舌)、喉頭(ヤマブシタケ)、灰樹花(マイタケ)といった中には、希少価値でたいへん高価なものもあります。また、食用として馴染みのある、木耳(キクラゲ)類、冬菇(エノキタケ)、光帽黄傘(ナメコ)などにも抗ガン作用があるといわれています。
私が漢方を習っていた当時、定期購読していた専門誌に、ガンが消失したという事例が紹介されていました。7種類の抗ガン薬草に、胃腸の働きを良くする漢方薬をブレンドして煎じ薬として服用したら、20日くらいからガンが縮小し、3ヶ月後には消えてしまったという例です。
もちろん、どなたのガンでも同じようにいくわけではありません。しかし、私の知り合いで末期の胃ガンの方(余命宣告されていました)に同じ処方を飲んでもらったところ、食欲が出て体調が良くなり、宣告されていた余命より大幅に延命しました。何よりもご家族が喜ばれたのは、日常生活が楽に送れたことです。
中国では、政府が認めた正式な抗ガン剤としての漢方薬があります。単一薬草のもの(カイジ)、複数の薬草をブレンドした処方(天仙液:てんせんえき)などが医療現場で患者さんに投与されています。一般的な治療(手術・抗ガン剤・放射線)の併用として、もしくは、それらがもうできない時に、漢方療法が出番となります。また進行ガン患者さんの緩和医療としても使われ、痛みや諸症状の改善に役立てています。(カイジや天仙液は日本で入手可能です) 最近では、アメリカをはじめとする欧米の国々でも西洋医学と中国医学の併用(中西医結合)によるガン治療への関心が高まり、中国の医療機関と共同研究が盛んになっています。
なお、病状や体調に応じて煎じ薬を処方するには、相当の技量が要求されます。専門の漢方知識と経験を持った、漢方医や漢方薬局でご相談されることをおすすめします。
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