
ノルウェーで開発された免疫刺激物質 パン酵母ベータグルカン
パン酵母ベータグルカンはノルウェーで開発されましたが、日本国内では新潟大学医学部がパン酵母ベータグルカンをマウスに投与して腸管免疫活性度の実験をしています。
新潟大学といえば、『免疫革命』で有名な安保徹先生が在籍されています。その安保徹先生が、パン酵母ベータグルカンに関して『ガンに負けない、あきらめないコツ』(鎌田實 著 朝日新聞社刊)で次のように語っています。
「昨年私の研究室で行ったマウス実験で、ノルウェーで開発されたパン酵母から抽出した多糖類のベータグルカンをとると腸管でのリンパ球が増えることがわかりました。この実験結果はアメリカの『セルラー・イムノロジー』という雑誌に掲載されましたが、パン酵母から高濃度に抽出したベータグルカンをマウスに1週間口から摂取させて腸管でのリンパ球数を見たところ、与えなかったマウスとの差が5倍もあったんです」
パン酵母が人の健康に対し良い働きをすることは、すでに50年前に発見されています。酵素分解したパン酵母が病気への抵抗力や、腫瘍の成長を抑制し、その主成分がパン酵母ベータグルカン(ベータ(β)-1,3/1,6-グルカン)であるとわかったのです。
ベータグルカンは、多糖類です。キノコ由来のベータグルカンのほうが知られていますが、ベータグルカンにはいろいろな種類があります。ベータグルカンが免疫を刺激して活性化させるには、免疫細胞と接触してスイッチをONにしなければなりません。パン酵母ベータグルカンは、ベータ(β)-1,3/1,6-グルカンです。この形のベータグルカンは、複数のグルコース分子の枝を持っています。パン酵母ベータグルカンはグルコース分子の枝が多いので、免疫細胞の受容体(ベータグルカンを認識する)と結合しやすい構造になっています。
では、このパン酵母ベータグルカンような免疫刺激物質を、サプリメントのようなかたちで口から飲むという(経口)方法で果たして効果が得られるのでしょうか? 免疫器官は人の体重の約3%を占めるほどです。免疫の最も主たる部門は胸腺と消化管内(とくに腸管)にあります。胸腺は10台をピークに衰退しますが、腸管には特定リンパ節(パイエル板)や様々な種類の白血球細胞(免疫に関わる)すべてが見られます。パン酵母ベータグルカンは、胃腸から吸収されず腸管に陣取っている免疫系と接触し刺激することによって、免疫活性を促すと考えられます。
ガンと闘うにあたり、自己の免疫力が高まることは防衛面から必須の条件です。
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